人生の栞

■ エンマさまの身上書
もとは インドの聖典「ヴェ-タ」に登場する死者の王 ヤマ(Yama)が仏教と共に中国に伝わり、道教思想が入った「十王経」(偽経)では冥界で裁判を行う十王の一人 閻魔(エンマ)となりました。
一説によれば、閻魔王は、身勝手な人間たちを叱るために 地蔵菩薩が化身されているのだともいわれます。

■ エンマ帳
被告人(死者)がそれまでに重ねた罪が 詳しく記されていて、実際に手を下して行った罪(身)だけでなく、言ったこと(口)、思ったこと(意)の身・口・意の三つの業がすべてが記載されています。つまり、
@「お前なんか 死ね!」と言ったら=殺人罪、
@「となりの奥さんの方がいいなぁー」と思ったら=不倫罪…?
そして、その罪に応じて用意された「地獄」へ・・・(「殺生」をして落ちる地獄と「盗み」をして落ちる地獄とは別のもの。地獄は一つでではアリマセン。罪の数ほど地獄は用意されています))

■ 超高精度ウソ発見器~浄玻璃鏡
エンマさまの法廷には、浄玻璃鏡(じょうはりきょう)という水晶の鏡があり、その前に立った者の生前の行為のすべてが、再現ビデオのように映し出されるといいます。

@亡くなる35年前に 隣りの家に回覧板を持ってったら、ちょうど留守で、折りしもコタツの上に置いてあった饅頭を一つパクリと盗み食いした・・
…なんてことも、35年前の若いころの自分が映し出され、シッカリと再現されるのです。

エンマさまの前では、遠山の金さんの「桜吹雪」のように 証拠を突きつけられもはや弁解の余地はありません。

■ 舌を抜かれるのも、一度じゃ すまない?
エンマさまといえば、「ウソをついたら舌をぬく」というのが定番ですが、
あの舌抜き器(?)でグイッと抜かれた場面の絵を見たら、肝(内臓)までついて出てました(-_-;)・・・もちろん麻酔ナシ。この世でそんなことされたら、きっとショック死でしょう。

そして、抜いたはずなのに 口を見ればまた、まだ舌がある・・・というわけで、また、苦しい目にあって抜かれます。そしたら、また 舌が生えてくる・・・。
いったい何回生えて、何度 抜かれるかといえば、何と!「ウソをついた回数」ほど 抜かれるそうです。(ゲェッ!)

■ どうしましょ!
一日にウソを 200回もつく私。その上に 一度に2~3枚の舌を使い分けていますから、いったい何度抜かれるやら・・・(@_@;)

でも、ご安心を!
阿弥陀さまの願いの中につつまれ、生かされ、お念仏のご縁をいただいた私たちには、エンマさまの法廷は無縁です。
詳しくは、
ひらがな法話 七七日(四十九日)版 「四十九日のいわれ」をご覧下さい。
よかったですネ!

親鸞聖人のご和讃にも
       南無阿弥陀仏をとなふれば     炎魔法王尊敬す
       五道の冥官みなともに           よるひるつねにまもるなり
(お念仏の教えを聞いて南無阿弥陀仏を称えて生きる人を、地獄への裁判官でもある閻魔法王は 尊び敬って下さいます。迷いの世界の罪をさばく他の裁判官も、念仏に生きる人を日夜を問わず常に守って下さいます=意訳 by ONSAI)
とあります。

きっと、阿弥陀さまの光の中に照れされた念仏者は、浄玻璃鏡の前に立つまでに「わが身」を知らされ、「恥ずかしさ」に気づかされ、地獄を通り越して浄土へ生まれるのですから、さすがのエンマさまも 「よかったね」と讃え敬って下さるのでしょう。

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(ひらがな法話 「四十九日のいわれ」  から きた場合)  前画面にもどる