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言の葉(みちしるべ)kotoha

【47】人生列車


発車駅の東京も知らず、横浜も覚えがない。
丹那トンネルを過ぎたところで薄目をあける。
静岡あたりで突然乗っていることに気づく。

そして名古屋の五分間停車のあたりから、
窓の外を見てきょろきょろしはじめる。
この列車はどこへゆくのかとあわてだす。

もしそんな乗客がいたら
みな吹き出すに決まっている。
その無知な乗客を哀れむに違いない。

ところが人生列車は全部の乗客がそれなのだ

これは、吉川英治の自叙伝『忘れ名残の記』の中にあると教えてもらいました。