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七七日のたより(四十九日法話)77-49

百ヶ日のたより


四十九日のことを「満中陰」(まんちゅういん)というように、百カ日のことを卒哭忌(そつこくき)と言う場合があるそうです。

卒とは、「おわる、終える」、哭は、慟哭(どうこく)という言葉のように「大声を上げてなげき泣く」という意味です。忌は、ここでは「仏事」という意味です。

つまり、卒哭忌とは、「なげき泣くことを 終える 仏事」ということです。

大切なあの人を見送ってから、百日がたちました。あの日以来、涙が乾かぬほどに泣きなげいてきましたが、いつまでも泣いてばかりはいられません。今日からは、前を向いて、お念仏の中に亡き方と共連れの道を歩んでいきます…そんな思いの仏事です。

思いますに、百日という期間は、人間にとって新しい環境(状態)を受け容れるために必要な時間なのかもしれません。

4月にふるさとを離れ、進学・就職した若者が 5月病といわれるホームシックを越えて、7月ころ(百日過ぎ)には、すっかり現状に順応していきます。

誕生した赤ちゃんの首がすわり、母体が元に回復するのも、やはり「産後百日」といいます。身一つが 母と子の身二つになってから、それぞれが適応するのが百日なのです。

同様に、「親しき者の死」という事実を 引き受けるのも やはり 百日かかるのかもしれません。泣いて泣いて 涙が枯れるまで泣いたら、少しだけ前を向いてみませんか。日にち薬も百錠 飲まれましたね。

どうか、お念仏の中に 亡き方と共に人生を歩んで下さることを念じ上げるばかりです。合 掌