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放言御免hougen-gomen

三方一両 得


大喰い番組のチャンネルを替えたら、その裏でグルメ番組をやっていた。

グルメ…。「美食」と訳すらしいが、ここでは「餓鬼」と訳したい。餓鬼といえば、むさぼり、欲張った報いを受けて、「飲めない・食べられない」という飢餓状態が定番だが、現代の日本には満腹の餓鬼がいるようだ。

餓鬼とは、いつも「もっと欲しい」「まだ足りない」と不平ばかり言って、「これで十分」と満足ができない境界のこと。
「もっと美味しいものはないか…」と追い求めるグルメとは、目の前に出された料理を「美味しいね」とよろこんで食べることのできなくなった人たちのことかもしれない。

思うに、本当の美味しさを知っているグルメは、本当の空腹(ひもじさ)を知っている人ではないか。今の日本で言えば、戦争体験のある60代以上の方々だろ う。白いご飯を心から感謝して食べたり、ひとかけらのパンを涙流して食べたことのない戦後生まれの我々には、本当の美味しさは、わからないような気がす る。

豊かな時代の中にいるから、本当の美味しさがわからない…。恵まれるということは、そのまま幸せなことだとは限らないようだ。豊かさは、われわれから、有難さを感じるセンサーを奪うものなのか。

そこで提案。月に一度、日本中で朝昼晩の3食を抜く日を実施する。そして、その食費相当分を難民キャンプ等へ支援する。
すると、難民キャンプは大助かり、日本の国際貢献度もアップ、おまけに、3食抜いた次の日の朝食は みんな腹ペコだから、日本中が「美味しい」を連発!

これで三方一両損ならぬ、三方一両得! 放言御免。